原田物産 創立60周年
社長インタビュー

原田物産株式会社 外観

まずは、原田物産株式会社創立60周年おめでとうございます。

ありがとうございます。

印象に残っているエピソード

60年という長い歴史のなかで山あり谷あり様々な紆余曲折があったと思います。印象に残っているエピソードを教えていただけますか。

 なんといっても石油ショックですね。創立以来、当社は東京の丸ビルの中にあったわけですが、石油ショックの後移転せざるを得ませんでした。木場に本社を移転したのはかなりショックでしたね。会社を経営していくことの厳しさを感じました。その後、前社長の林が、倉庫と本社間の距離を近付けて在庫管理の一元化を図るため、当時から倉庫があった現在の塩浜に移転しました。
 現在の本社と倉庫が隣り合っている状態は、営業担当が自分の扱っている商品を身近に管理して、お客様からのご意見に対して素早いフィードバックが出来ること、素早く在庫チェック出来ることなど、様々な利点があります。もちろんオンラインでも在庫管理していますが、担当者がいつでも実物の商品を見に行けますからね。素早くきめ細やかなサービスにつながっていると思います。

代表取締役社長 原田 泰

原田物産の強み

昭和・平成・令和と時代を越え60年ものあいだお客様に支持されてきた御社の強みは何だとお考えですか。

 強みというか、どちらかというと皆あまり器用じゃないのでね。(笑)
 その代わりと言っては何ですが、社員が商品に身近に触れていることと同時に、同じ商品を長年取り扱っているので、社員の専門性は高くなっていると思います。
 社員一人一人が勉強をしていることは勿論、先輩から教わったり、海外の展示会へ行って勉強したり、海外のお客様に教えてもらったり、そういった教育には会社としても力を入れています。そういったこつこつとした地道な取り組み、堅実さが、今につながっているんじゃないかと思っています。

10年後のビジョン

60周年を迎え、10年後の御社をどのような企業にしたいとお考えですか。

 時代時代に対応出来る柔軟性を強めていきたいと思っています。
 今までで苦しかった時期には、商品価値の寿命という問題がありました。
 先代の社長が偉大であっただけに、社長の言うことに従う社風があるのですが、これからは社員一人一人が時代に応じて商品の寿命を見極め、新たな商品を開拓していくフロンティアスピリットを身に付けて欲しいと思っています。
 商品というものにはどうしても寿命があるのだから、商社としては次に必要とされる商品を開拓しなければいけないわけです。自分たちが商社だからこれは扱って良くて、これは扱ってはいけないという決まりがあるわけでは無いので、新規商品はもちろん、新規事業とか、新たな販売方法や買い付け方とか、枠にとらわれずそれぞれがもっともっと考えて実行出来るようにしていかないと。
 京セラの創業者稲盛氏が言ったアメーバ経営じゃないですが、色々な意味で自分たちが一人のプロフェッショナルとして、どうビジネスを回していくかということを考え、PDCAをしっかり回せるような、そういうような会社、そういうような組織になって欲しいと思います。10年後にはそういうことがしっかりできているようにしたいですね。

既存事業についてどのような展開を考えていらっしゃいますか。

 ビジネスチャンスは世の中の流れと共にあります。今扱っている商品から派生して新たなビジネスを始められるか、時代のニーズに即した新たな商品を開拓出来るか。
 今まで当社では機械関係の商品が多かったわけですが、昨年顔認証・体表温チェックのA.I.システムの取扱いを開始しました。既存商品の売上はコロナ禍の影響を受け厳しい側面もありますが、いち早く新たなジャンルの商品にチャレンジすることによってかなりカバーすることができました。そういうチャレンジを繰り返すことで、既存商品が時代に即さなくなった部分を補填し、新陳代謝を繰り返して行くべきだと思います。

70周年に向けて、新しい取り組み・事業展開などお考えでしたらお聞かせください。

 今年は60周年という事で、3つの新規事業を開始する予定です。

 1つ目は、機械加工、エンジニアリングの強化です。
 既存商品を販売するだけでなく、製造業の工程設計、設備設計をより密接にサポートしていこうという考えです。
 今までも設備関連の機械などを販売してきましたが、今の時代に合った形で省人化等も含め具体的にお客様に提案し、提案したものを提供出来るように、お客様の製造工程を1ステップ、2ステップくらい上げていこうという考え方ですね。
 例えば、当社の商品の一つに結束機があります。多くのお客様はこれを使って手で結束しています。これが、機械で物が流れてきて自動で結束出来たらいいですよね。そのような自動化を行うとなると、物を流すレールだとか、結束するロボット部分とか、色々必要になります。そういった物にも対応出来るような体制を作っていく予定です。そのようにして、商品に付加価値を付けていくことを考えています。
 長い間、日本の企業は省人化してかなければいけないと言われているわけだから、そう言った部分で効率化をサポートするような提案をしなければいけません。今まではエンジニアリング部門が弱かったので営業が提案することができなかったのですが、強化することで提案出来るようになると思います。
 お客様のニーズを聴いて「はいそうですか」と帰ってくるのではなく、それにちゃんと答えを出す提案が出来るようにしていきたいと思います。

 2つ目は半導体セキュリティ関連です。
 最近世界的に半導体不足が聞かれます。当社にも半導体業界の多種多様な問い合わせがあり、中国とのパイプを利用して、ハード&ソフトのセキュリティ関連商品を取り扱うことができるようにしていきたいと考えています。顔認証システムはその最初の商品となります。
 例えば、カードを利用した入退室の代わりに顔を登録することにより、カードの代わりになり、両手がふさがっていても、セキュリティが確保でき、また、データーとしての蓄積もできます。

 3つ目は、OKR(Objectives and Key Results・目標と成果指標)のクラウドサービス事業です。  ビジネスで成功するための要因は何か明確にし、それが会社内できちんと動いているかも明確にする。尚且つそれを各人が分析出来るサービスです。  日本では既に競合が存在しますが、今回共同で事業を行う制作会社はアメリカでApple社などにも採用されている実績があり、インドなど世界を相手にビジネスを展開する世界企業です。こういったサービスを最初から作るとなると莫大なコストがかかりますが、既に完成しているサービスを日本語に翻訳し、顧客対応は制作会社が担い、当社は営業に専念します。
 展開次第では非常に楽しみだと思っています。
 こういったサービスを扱おうというアイディアが出たのは60年間で初めてです。そういう意味で、こういう仕事をやりましょうという声が上がってきたのは非常に嬉しいことですね。

代表取締役社長 原田 泰

メッセージ

社員の皆様へメッセージをお願いします。

 毎回言っているんだけど、やっぱり原田物産を愛して、自分の仕事を愛して、家族を愛して、皆ハッピーになったら一番良いなと思っています。

お客様へのメッセージをお願いします。

 お客様には、うちの商品を使ってもらって喜んでもらえたらそれが一番、売っている側として幸せなことですね。お客様もハッピー、私たちもハッピー、これが一番。

代表取締役社長
原田 泰